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介護の余波

私は、母の介護を一週間して、残りの三週間を姉に託して、自分の町へ帰った。そこで私は二週間寝込んだ。朝4時半に起きて、母のおしめを替えることから始め、自分で言うのもなんだが、献身的に介護をしたから、肉体の疲労は当然だったかもしれないが、精神的に参った。「母を失うかもしれない」と思うと恐怖と不安で一杯で、生きていけない気がした。床に寝ながら悶々とし、考えて考えまくった。そしてやっと三日前から立ち直った。この事態を受け止め、でも精一杯努力しようと腹を決めた。
この家で寝込んでいる時、夫に「私も年貢の納め時かもしれない」と言うと、黙っている。夫はこの言葉の意味が分からないようだ。プライドが高いから、夫は自分の分からないことを言われると、黙っている。
シャーロックホームズものの『瀕死の探偵』に、ホームズがワトスンに「ワトスン君、僕ももう年貢の納め時かもしれないよ」と言う場面があり、娘が高校生の時、娘にも読ませたが、娘も「年貢の納め時」の意味が分からなかったかもしれない。序でに言うと、娘は三年越しの付き合っている彼氏がいるが、一向に進展がないので「W君とも、永すぎた春になってるの?」と聞くと「永すぎた春って何?」と言う。「三島由紀夫の作品に『永すぎた春』ってあるでしょ?」と言うと、「読んでない」と娘は言う。家には文庫本に夫が持っているのと、私が里から持っていたのと二冊あるのだが。「あの作品はくだらないけど、永すぎた春の意味くらい知っときなさいよ」と私は、ちょっとがっかりしながら答えた。
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marimidori

Author:marimidori
東京で生まれた後、親の転勤もあってあっちこっちへ住み、今は徳島在住。夫の経営する薬店を手伝いながら、諸行無常の生活をしている。15歳の時から強烈な不眠に悩まされ、二十歳の頃ついた病名が境界性欝病。還暦になった今でも治っていない。同じような病の人に役立てばとブログを始めることにした。FC2ブログへようこそ!

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